面接では短い時間の中で自分を正しく表現することが重要です。必要以上によく見せようとか、飾り立てようとすると結局おかしくなります。とにかく自分が考えていることを正確に簡潔に相手に伝えることを心がけます。面接ではあなたのスキルを確認することも目的の一つですが、会社の組織に入ってチームとしてうまく機能するかどうかを実際に直接話して判断する意味合いのほうが大きいと思います。その人の人となりは、履歴書や職務経歴書などの資料だけでは判断できませんから。基本的には考えていることを、正確に伝えればよいと思うのですが、それでは”面接の注意点とコツ”と言ったわりには身も蓋もありませんので、私が面接をする場合に採用したいと思う候補者の受け答えについて、いくつか挙げてみたいと思います。
1)目を合わせて話す
常に目を見続けられると、威圧感を感じてしまう人もいると思いますが、あなたが話をする場合は、少なくとも相手の目をみて話すのが良いと思います。もし余裕があれば、面接官が複数名いて、アイコンタクトくれる場合には、目を合わせてくれる人にはまんべんなく目を合わせて話すと良いと思います。これができるだけで、自信を相手に伝えることができます。
2)質問に的確に答える
これ、実は簡単なようで難しいのです。まず質問が、「はい」、「いいえ」で答えられるなら、まず「はい」か「いいえ」で答えることから始めてください。そのあとに理由の説明や、付け足したいことを加えます。案外多いのです、いきなり説明から始まって、説明がどこに向かっていくのかなぁと思いながら聞かなくてはならないことが。また、もし質問の意図がわかりずらかった場合は、”質問の意図を斯く斯く云々と理解しましたが、よろしかったでしょうか”必ず聞き直してから、適切に答えるようにしてください。間違った理解のまま、とんちんかんな受け答えはしないように注意してください。これは仕事に共通する大切なポイントです。仕事を依頼したときに、不明瞭な部分があれば聞き返して、確認してから仕事をするタイプなのか、自分の解釈で勝手に走っていくタイプなのかに通ずるものがあります。
3)入社後に期待されている成果や能力は業務に関する面接のやり取りの中で確認する
面接の最後に”何か質問は?”と聞かれると思いますが、この最後の部分で、業務の話に戻っていくと、今までその話をしていたのになぜその時に聞かない?と思ってしまいます。別の項目にも書きますが、最後に質問はと聞かれて”特にありません、十分必要な情報はいただきました”と言えるように会話をすすめてください。
4)給与など条件の話は相手が持ち出さないかぎり質問しない
まず、相手の会社がスキル的にあなたを雇いたいと思うまでは、条件面の議論をするポジションにまだあなたはいません。タイミングについてはエージェントに必ず相談しましょう。
5)聞かれたこと以外の不必要なことは言わない
いろいろ情報を提供したほうが印象が良いと思いがちですが、それは間違いです。質問に関係ない情報はあくまで余計な情報です。これも同じように仕事でも共通している話です。必要な情報は十分に相手に伝え、混乱を避けるために不必要な情報は出さない。これは面接でも共通です。
6)答えづらいネガティブなことも、聞かれた場合ははっきりと言う、そしてどのように改善したいかを簡潔に言う(言い訳ではなく)
私も面接のときに失敗談や苦手なところ、自分の短所を意図的に聞くようにしています。理由は2つです。言いにくいことを人にきちんと伝えられるか、短所をきちんと自分で認識して消化しようとしているか、の2点を確認したいので。別に欠点を責め立てる意図はありません。仕事をしていると失敗や問題がでてきます。その時に、きちんと問題に向きあって、周りに適切なタイミングで報告し、前向きに対策を考えることができるかどうかが重要です。これができない人は、いつまでも問題を後回しにして手遅れになってしまう危険があります。誰もパーフェクトな人はいませんから、欠点はあってもいいのです。自信をもって、”欠点は認識しています、直そうと努力もしています”と言えばよいのです。
7)受け答えはとにかくポジティブに
本当に難しいことやできないことを”できます”と言う必要はありませんが、面接において、ネガティブな思考につながる言葉はNGワードです。できない、難しい、やりたくない、好きではない、のような言葉です。もし、どうしても使うときは、そのあとに”できる限り頑張ってみたいと思います”とポジティブな言葉で会話を締めくくるように心がけてください。
8)面接最後の”質問は?”にはさっぱりとお礼の言葉で返す(質問は控える)
面接官によるとは思いますが、最後の”質問は?”は社交辞令で、そろそろ面接切り上げましょうの意思表示と会社としては必要十分な情報が得られたので、これで採用不採用検討させてもらいます。という締めの言葉と取ったほうが良いと思います。面接官の皆さんも、限られた時間を調整して面接に来られていると思いますし、そこからいろいろと質問が始まってしまうと、正直ちょっと面倒だなと思ってしまうこともあります。業務にかかわる内容であれば、3)の中で述べたように、面接のやり取りの中で明確にするように努めてください。”質問は?”はアピールタイムの始まりと勘違いしている人もいるかもしれませんので。アピールは面接のやり取りで勝負するようにしてください。最後の”質問は?”への受け答えは、面接官に時間をとってもらったことへのお礼と、直接会社の人と話せて、期待される業務への理解が深まったこと、最後に”面接を受けて、さらに御社で働きたいという気持ちが強くなりました”というポジティブな言葉で締めくくるとスマートだと思います。
以上が私からのアドバイスです。もちろん面接官によって視点は違いますから、万能というわけにはいかないとは思いますが。
Good Luck!